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根元から先端にいくにつれてピッチが大きくなっているのが逓増ピッチ、逆に小さくなっているのが逓減ピッチである。
ピッチ比とは、ピッチをプロペラ直径で割った値をいう。

 

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3・31図 ピッチの変化

 

3)前進面(フェース)および後進面(バック)
プロペラを船に装備した場合に、その船尾側の翼の面を前進面といい、船首側の翼の面を後進面という。この呼び方は反対に考えがちであるから、よく注意する必要がある(3・27図参照)。
4)面積
面積の術語にはつぎの4種類がある。(3・27図参照)
(1)全円面積
プロペラ翼先端を結んだ円板の全面積をいう。プロペラの直径をDとすれば全円面積はπ/4D2(=0.785×D×D)である。
(2)展開面積
翼の傾斜とピッチのひねりを伸ばした翼の面積であり、図面を画く時は近似図法で示す。
この面積を実際に測定する便法として、翼の前進面に紙を当てて翼の輪郭を画きその紙を平面にして面積を計っているが、厳密にいうと紙は伸びないと翼の面は微分幾何にいう非可展開面の1種であるから少し違うことになる。
(3)投影面積
プロペラ軸に平行な方向から見た見かけの形状の面積である。(3・32図参照)。
(4)展張面積
これは設計上プロペラを製図する時に用いるもので、仮想のものであるから設計者以外は特に必要としない。

 

 

 

 

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